エコジョーズのデメリットとは?メリットもあわせて解説!
給湯器の種類の1つにエコジョーズがありますが、どういった特徴がある給湯器なのでしょうか。
エコジョーズにすることに対するメリット、デメリットやどういった方におすすめの給湯器なのか、仮に故障した際はどうすればよいかなどをまとめましたので、給湯器の選択に迷っている方はぜひ参考になさってください。
そもそもエコジョーズとは
そもそもエコジョーズとはどのような特徴をもった給湯器なのでしょうか。
以下の2点でまとめました。
【まとめ2点】
- エコジョーズの仕組み
- エコキュートとの違い
エコジョーズの仕組み
エコジョーズとは、少ないガスで効率よくお湯を沸かす給湯器で、省エネ性能が高く、環境にやさしい給湯器といわれています。
一般的な給湯器の場合は、水が通る配管を外側からガスバーナーで加熱することで温められた水がお湯として出てくる仕組みとなっています。
外側から加熱するために必要以上の熱が作り出され、不要な熱は排気口から空気中に排出されます。
エコジョーズの場合は、この空気中に排出される不要な熱に着目し、この熱を回収してお湯として使う水をあらかじめ温めておきます。
事前に温めておくことで給湯する際に使うガスの量を減らすことができるのが大きな特徴です。
エコキュートとの違い
エコジョーズと名称が似ているものに「エコキュート」がありますが、エコキュートは、水を温めるエネルギー源が電気のため、エコジョーズとは大きく異なります。
またエコキュートは、ヒートポンプと貯湯タンクの二つのユニットが必要ですが、エコジョーズは、ガス給湯器のみで給湯できるため、エコジョーズの方が省スペースで済みます。
エコジョーズのデメリット
それでは、従来の給湯器に比べてエコジョーズにはどういったデメリットがあるのでしょうか。
以下の3点でまとめました。
【デメリット3点】
- 給湯器よりも初期費用が高い
- ドレン排水工事が必要
- 定期的に中和器の交換が必要
デメリット①給湯器よりも初期費用が高い
エコジョーズは一般的な給湯器の同じ号数のものと比べて本体価格および工事費用が50,000円~100,000円ほど高い傾向にあります。
エコジョーズの方が高くなる要因として、一般的な給湯器に比べて本体の構造が複雑なことと使用されている部品の数が多いことがあげられます。
この金額差は、設置後に長年使用するとエコジョーズの方がお得になる可能性があります。
また、エコジョーズを設置することで補助金がでる自治体もあるので、検討している方はお住まいの自治体の補助金制度を調べてみてください。
デメリット②ドレン排水工事が必要
エコジョーズは、一般の給湯器と違い、給湯する過程でドレン排水が発生するため、下水や雨どいにドレン排水を流すための配管工事が必要になります。
ドレン排水は、エコジョーズ本体の中で中和されて排出されるため、人体や環境に大きな影響はありませんが、配管工事をしていない場合は、エコジョーズの周囲が水浸しになってしまい、コンクリートや建物を腐敗させてしまう可能性があります。
この排水工事の配管の位置を留意してエコジョーズの設置場所を検討する必要があります。
配管工事は、5,000円~10,000円程度が目安ですが、設置場所によって費用が変動するので事前に確認しましょう。
デメリット③定期的に中和器の交換が必要
エコジョーズ本体の中でドレン排水を中和するためにしようされている中和器も定期的に交換することが必要です。
中和器内部には、炭酸カルシウムが詰められており、中和器に酸性のドレン排水が流れることで中和されます。この炭酸カルシウムが10年程度で効果を失ってしまうので交換が必要になります。
この炭酸カルシウムの交換を怠ってしまうと、中和しきらないドレン排水が原因で悪臭が発生し、カビやコケの発生リスクが高くなります。
交換費用は、エコジョーズの機種によっても異なりますが、約12,000円~25,000円程度といわれています。
エコジョーズのメリット
エコジョーズのメリットについてもみていきましょう。
代表的なメリットは、以下の4点です。
【メリット4点】
- ガス代を節約できる
- 設置場所を選ばない
- 湯切れしない
- 飲用水として使える
メリット①ガス代を節約できる
エコジョーズは、排気される熱を再利用してお湯を沸かします。
これは通常の給湯器に比べてガス代を大きく節約できる効果があります。
使っているガス会社や家族構成によっても異なりますが、年間20,000円前後の節約が可能です。
メリット②設置場所を選ばない
エコジョーズは一般的な置き型給湯器に比べてコンパクトな設計になっているため、本体を置く場所を選びません。
ドレン排水の配管工事さえできれば、一軒家だけでなくマンションのベランダなどにも設置が可能なので敷地面積や設置条件に制限がある場合でも対応しやすいのが特徴です。
メリット③湯切れしない
エコキュートなどのタンク式の給湯器は、タンク内のお湯が無くなってしまうと、次にタンクにお湯が溜まるまでお湯を使うことが出来ません。その点エコジョーズの場合は、必要な時に必要なだけお湯を沸かすことが可能なため、断水が起こっている場合以外は、お湯を使い続けることが可能です。
急な来客や家族が多い家庭でも安心して使える点が魅力ですね。
メリット④飲用水として使える
エコキュートなどのタンク式の給湯器は、タンク内の汚れ等を考慮して、飲用不可であることが多いですが、エコジョーズは、飲用可能な水道水を一度沸騰させたお湯がでてくるため、飲用水として使用することができます。
高温設定にしておけば、カップラーメンやコーヒーや紅茶にもそのまま利用できるのでおすすめです。
エコジョーズに向いている人の特徴
エコジョーズは、ガス代が節約ができ飲用水として使える点でメリットがたくさんありますが、
どういった方に向いている給湯器なのかご紹介します。
【飲用水として使えるメリット】
- お湯を使用する人が多い家庭
4人家族など1日に使用するお湯の量が多い家庭、シャワーを浴びる時間がバラバラな家庭は、経済
的なメリットが期待できます。 - プロパンガス(LPガス)を使用している
一般的に都市ガスに比べてプロパンガスの方がガス代が高いため、プロパンガスを使用している家庭で
は、エコジョーズに交換することでガス代を抑える効果があります。 - 床暖房を使用している
床暖房を使用している家庭は、使用していない家庭に比べてガス代が高くなりますが、エコジョーズに
することでガス代を節約することが出来ます。
ガス会社によってエコジョーズと床暖房を組み合わせた専用プランを提供している会社もあるので、利用
していない方は、契約プランの見直しも検討してみてください。
エコジョーズに向いていない人の特徴
次にエコジョーズが向いていない人、一般の給湯器がおすすめな人はどういった方なのかご紹介します。
【エコジョーズが向いていない人】
- 1人暮らしの方、お湯の使用量が少ない家庭
1人暮らしの方やお湯の使用量が少ない家庭は、エコジョーズを導入したことに対する節約効果をあまり感じられない可能性があります。
エコジョーズは、本体代が高額なのに加えて専用工事が必要なため、一般的な給湯器に比べると初期費用が高額になります。
お湯の使用量が多い家庭ほど一般の給湯器を使用した場合に比べてガス代が安く済むので、初期費用の増額分のコストがおさえられますが、お湯の使用量が少ない家庭は、ガス代にあまり大きな変化はでないかもしれません。
- ドレン排水が出来ない場合
ドレン排水をするための配管工事が出来ない家庭は、エコジョーズはおすすめしません。
マンションやアパートなど外部への排水経路を確保できない建物の場合は、エコジョーズを設置できない可能性もあります。
エコジョーズの導入を検討しているタイミングで業者や管理会社に相談しましょう。
エコジョーズの選び方
エコジョーズの導入を決めた場合、どの種類のものを買えばよいか迷いますよね。
選び方のポイントを以下の3点でまとめました。
【ポイント3点】
- 性能から選ぶ
- 号数から選ぶ
- 住んでいる地域に合わせて選ぶ
性能から選ぶ
メーカーによって名称は異なるタイプもありますが、エコジョーズには、「給湯専用」タイプ、「オート」タイプ、「フルオート」タイプの3つのタイプがあります。
【3つのタイプ】
- 給湯専用タイプ
給湯専用タイプは、キッチンやシャワーなどの給湯が出来るタイプで、追い焚きは出来ません。 - オートタイプ
オートタイプは、お風呂のお湯張り、追い焚き、保温までを自動で、足し湯は手動で出来ます。 - フルオートタイプ
フルオートタイプは、オートタイプに加えて足し湯も自動で出来て、配水時に配管も洗浄します。
価格は安価なタイプから、給湯専用タイプ、オートタイプ、フルオートタイプの順で高額になります。
どこまで自動で使いたいのかを考えて検討しましょう。
号数から選ぶ
号数は、1分間に沸かすことが出来るお湯の量を示しています。
一度に使用するお湯の量によって選ぶことがおすすめですが、エコジョーズを販売しているリンナイでは、使用人数ごとのおすすめの号数を紹介しています。
16号:1人暮らしで一度に複数箇所でお湯を使用しない家庭
20号:2人暮らしでお湯を使う機会が少ない家庭
24号:家族4人程度で一度に複数箇所でお湯を使用する家庭
号数に合わせて本体価格も高くなるため、使用量に合わせた号数を選びましょう。
住んでいる地域に合わせて選ぶ
エコジョーズには、「寒冷地仕様」のもの、「耐塩害仕様」のものなど地域にあったタイプがあります。
「寒冷地仕様」は、毎年積雪や、配管の凍結が考えられる寒い地域の方におすすめで、「耐塩害仕様」は、海の近くにお住まいで潮風が吹く地域の方におすすめです。
寒い地域や、塩害の被害にあう可能性のある地域は、地域にあった使用のエコジョーズをしようすることで、通常の給湯器に比べて環境起因の故障の頻度が少なくなり、メンテナンスにかかる費用も抑えることができます。
エコジョーズへの交換を依頼できる業者とは
エコジョーズへ交換を検討している方は、どのような業者に依頼すればよいのでしょうか。
交換するにあたっておすすめの以下の3業者についてまとめました。
【3業者】
- 給湯器専門業者
- 給湯器メーカー
- ガス会社
給湯器専門業者
給湯器専門業者は、給湯器の修理や交換を専門に行う業者です。
自社で給湯器の製造を行っていませんが、各メーカーの給湯器の在庫を持っています。
現在つかっている給湯器を修理するか、交換するかで迷っている場合は、どちらの方が良いか相談もできるので、検討中の方は、問い合わせてみるのもおすすめです。
給湯器メーカーやガス会社に比べて給湯器の本体価格が安いことが多く、工事費や保証料金を含めても低価格で作業を依頼できる可能性が高いです。
また、24時間年中無休で対応してくれる会社が多いので設置後も安心です。
会社によって作業実績や保証内容が異なるため、依頼を検討している場合はまず見積もりを取りましょう。
給湯器メーカー
代表的な給湯器メーカーは、リンナイ、ノーリツ、パロマ、パーパースの4社があります。
その中でもリンナイとノーリツは、国内シェア80%をほこります。
給湯器メーカーに依頼するメリットは、設置する製品のメーカーなため、品質に安心感があり、問い合わせ窓口が分かりやすい点にあります。
また、メーカーに直接依頼すると、本体代を定価より安く購入できる可能性がある点もメリットです。
一方、問い合わせの窓口はメーカーですが、実際に交換やメンテナンスを行うは、メーカーから委託された専門業者なため、当日どんな人が作業にくるのかがわからないところがデメリットです。
ガス会社
給湯器の交換は、普段使用しているガス会社(東京ガス、大阪ガス、各地のプロパンガス会社など)に依頼することができます。
ガス会社に依頼するメリットは、いつも利用している会社に依頼できるため安心感があること、ガス関連の住宅設備に対応しているため、給湯器だけでなく他の機器の相談もできるところです。
また、アフターサービスも充実しているため、交換後も安心です。
一方、ガス会社だけでみると競合他社がいないせいか、給湯器本体や作業費用の値下げに消極的なため、他の業者に比べると作業費用が高額になる可能性が高いです。
また、選べる給湯器の種類がすくないため希望する機種の在庫がない場合もあります。
エコジョーズへの交換工事を依頼する業者の選び方
エコジョーズへの交換工事を依頼する場合、業者の選び方のポイントを以下の3点でまとめました。
【ポイント3点】
- 実績と口コミを確認する
- 対応スピードを考慮する
- アフターフォローや保障の有無を確認する
実績と口コミを確認する
依頼したい会社が決まったら、実績や口コミを確認しましょう。
施工実績が多い会社は、「年間〇〇件の施工実績があります」とHPなどに記載していることが多いです。
施工技術に自信のある会社ほど実績や口コミをオープンにしているので、逆に実績等を公表していない会社は注意が必要です。
会社で公表している実績や口コミだけでなく、実際に利用した方が投稿したSNSの口コミも参考にしましょう。
対応スピードを考慮する
メンテナンスや交換作業に対してスピーディーに対応してくれる会社がおすすめです。
24時間年中無休で対応してくれる会社は緊急時に安心ですね。
給湯器メーカーや小さな業者は土日祝や年末年始に休業していることが多いです。
緊急でなにかあった時にすぐ対応してくれるかどうかも選ぶ際のポイントです。
アフターフォローや保障の有無を確認する
交換業者を決める際は、アフターフォローや保障の有無について確認することが大切です。
給湯器の設置に問題がなくても、落雷や配管の凍結などで故障してしまう可能性もあるため、作業後のアフターフォローや保証が充実している会社がおすすめです。
エコジョーズの交換費用の相場
エコジョーズの交換の際にかかる費用の内訳は、
エコジョーズ本体+工事費用+ドレン排水配管工事費※
となります。
※交換前もエコジョーズを使用していた場合は、ドレン排水配管工事費は不要
工事費用の相場は4~7万円、ドレン排水配管工事は1万円程度です。
エコジョーズ本体代のタイプ別の費用相場は以下の通りです。
ふろ給湯器 | 暖房付きふろ給湯器 | |
給湯専用 | 17~21万円 | 30万円 |
オートタイプ | 32~39万円 | 41~50万円 |
フルオートタイプ | 37~44万円 | 44~53万円 |
まとめ
省エネ性能が高く、ガス代も安く抑えられるエコジョーズですが、初期費用を含めて考えてみると、向いている人、向いていない人がいたので、導入を検討している方は、自分は当てはまるかどうか考えてみてください。
また、実際にエコジョーズの導入を決めた場合は、依頼する業者も慎重に検討して選ぶことをおすすめします。
本記事が給湯器選択の参考になれば幸いです。